おひさま

終戦
陽子は学校の先生なので生徒たちの教科書を墨で塗りつぶさせ、「先生は間違っていました。ごめんなさい。」って謝る姿とか、「先生うそつき」って子供に責められる姿とか見ていてつらい。
終わってすぐ明るい未来が始まるわけじゃないもんね。
しかも負けたわけだし。
食べ物だってすぐにたくさん入ってくるわけじゃない。
陽子自身も子供のころから続いていた戦争が終わって、しかも負けて、どうしたらいいかわからないって混乱していて・・・
それが現実だったんだろうな。



春樹兄さんは戦死してしまったけど、茂樹兄さんが帰ってきた。
でも生きて帰ってごめんなさいって言ってた。
赤紙が来て戦争に行かされた人と違って、志願して軍に入った人だからそういう想いも強いのかもしれないな。



ゲゲゲの女房にも戦争から帰ってきて腑抜けになってしまった貸本屋のご主人が出てきたけど、そういう人もきっとたくさんいたんだろうと思う。そういえば私の祖父も戦争で満州に行っていたそうなので、引き上げるのも大変だったんじゃないかな。あまり戦争のことは語らない人だったので、詳しくはわからないんだけど…。90歳を超えていて、痴呆がかなりきているのでいろいろわからなくなっているみたいだけど、体は元気らしい。老人ホームの費用を払ってもおつりがくるくらいの年金+軍事恩給があるんだって。いいなぁなんて軽々しく母と話しているけど、もらうに値するくらい苦労しているんだなって今更。戦争行って、戦後の日本を立て直した人たちだもんね。祖父は歴史に残る事業を成し遂げたわけじゃないけど、あの時代を生きた人たちの一粒一粒の汗と涙が今の日本を作っているのだと改めて思った。



なんとなくこの世界から戦争はなくならないよなって漠然と思っていて、それは宗教だったり国益だったり色々な思想だったり理由は様々だけど、人と人がぶつかり合うことに終わりはないなと漠然と思っていて、でもしょうがないよねって思っちゃダメだなと。ただ普通に生きている人たちがこんなに苦しんで悲しんで生きなきゃならないなんてばかげてる。



さあ来週は和さんが帰ってくるかな。